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田中琴葉や喜多見柚が好き

TC選挙を琴葉陣営から考える・議論の手続き編

ミリシタのTC選挙お疲れさまでした。結果からいえば琴葉についてはあまり上位争いに入ることはありませんでした。また少し事情を知っている人なら、コンベとかが荒れていたということを聞いているかもしれません。この間に主に琴葉のコンベンションセンターで起こったことは記録する価値があると思ったので、本記事では琴葉陣営についての動向まとめを試みています。

 

これを書いてる人

まず自分の立ち位置みたいなのについて少し。ミリオンでは琴葉メインですが他の子も広く見たい派で、過去の投票でもけっこうあちこちに入れています。TAは明確な記憶はありませんがエレナ、美奈子、恵美に入れているスクショが確認できました(多分全部同級生に入れるとかいう無駄なことやってたと思う)。TBは新ヒロイン琴葉、探偵百合子、支配人エミリーにおよそ3分割して入れたはずです。

TCについての言及はいったん保留します(別記事でもう少し自分の主観を強めたものを上げると思うのでそちらで)。ちなみに投票初日の夜などにコンベ内でいくつか発言は行っており、自分の行動に忸怩たる思いを持ちつつ、現象としては興味深いなあなどと思っている節もあります。投票初日のコンベ内議論の後琴葉discordにも入りましたが、そちらでは現状ROM専です。

 

琴葉陣営の動き

 

開始前~投票初日

これから琴葉陣営の動きについて触れていきたいと思いますが、まず恐らくTC期間全体の動きを最も決定づけたであろう初日のコンベの議論の推移について述べます。大枠を言うと、まず琴葉への票は投票開始後主人公へ集まっていました。しかし茜ちゃんの躍進などによって別の役への集票を提案する動きがコンベ内で現れます。初日夜にコンベで議論することになりましたが紛糾。最終的にはgoogleフォームを用いた多数決がなされ、最も票を集めたファイナルデイ(以降FDと表記)への投票一本化が図られることになりました。

 

もう少し詳しく時系列を追っていきます。当然ながら自分では掬いきれない流れもあると思いますが、コンベを中心にできる限り拾っていきたいと思います。

 

まず投票開始前ですが、Twitterにおいては琴葉の話題は少なくとも私の目には触れませんでした。もちろん私自身そこまでミリオン界隈を綿密に追っているわけではないというのは当然あって(普段見るリストにも琴葉Pは入っていない)、この時点で認識するTC関連のツイートは絵師さんによるイラストがほとんどです。

一方で、琴葉discord内ではこの時点でどこに票を入れるかという話し合いが行われていたようです。ここでの議論では、最終的に主人公の役を狙うことが決定します。ここでの話し合いは私が見る限りかなり丁寧になされていたという印象です。

  • 最初に議論が「琴葉に役を取らせることを第一に考えたい人」によるものであり各人の投票を制約するものではないことが明示されている
  • 話題に上る役やそのメリット・デメリットについては、(他陣営の動きを除き)おおむね後にコンベ内で出てくる内容を網羅している
  • discordでの議論の結果を、別の場所でdiscordで決まったこととして強制させるような言及をしないことが徹底される

特に3点目については、Twitterでの宣伝もわざと時間をずらして行うなど、組織的動きが目立たないよう細心の注意がなされました。

個人的見解ですが、これはよい選択であったように思います。特に、公式コンベがなくでどうしても限られた人による議論しかできない中、それを公にして投票を呼び掛けても(それこそ今回以上の)大きな反発が予想されます。今回の裏での動きに徹したdiscordはそのあたりをよく考えていたと思います。

discordでは戦略として、TBデバフで浮動票はあまり見込めないことや琴葉Pの中で挙がっている役がばらけていることを考慮し、初動で抜けだして有利を取ることで琴葉P内の流れを作ることを目指すと決めました。

 

さて、12/19になりミリシタ内でTC投票が開始されます。琴葉への票は、まず主人公に集まりました。このとき、事前準備もあったためか初動としては悪くない票数だったと思います。主人公琴葉は開始30分時点で約300票を集めており、この時点での役ーアイドルの組み合わせ全体の中で7位です。

ところが、ここで大きな誤算が生じました。茜ちゃんがTwitterトレンドをも席巻し主人公トップに躍り出たのです。

この茜ちゃんの躍進は完全に不意打ちで、公式で開設されたコンベ内でも少なからず動揺が生まれました。開設直後は主人公の流れが強かったものの、2:00頃からは他の役を考える投稿も増えていきます。無論これは純粋に主人公以外を見たい人が他の役を提案する流れでもあったわけですが、主人公では役を取れないと危惧する投稿も徐々に目立ってきます。
役を取るという観点から役変えを検討する理由として、以下のようなものが挙げられていました。

  • 茜ちゃんのトレンド入りするレベルの勢い
  • (特に茜ちゃんとの対比としての)琴葉コンベの固い雰囲気
  • TBで役をやっている(しかもちょっと被ってる)
  • 茜ちゃんのイベントブースト(りるきゃん)

主に「茜ちゃんvs琴葉」となったときの浮動票の入りづらさを懸念する声が多いです。移動先に上がる候補としては妖精、バスターブレイド、アマリリス、ファイナルデイなど様々ですが、対抗馬や浮動票を見ながら勝てるかどうかを理由に挙げる投稿がそれなりに目立ちます。

しかし、当然ながら主人公から変えるべきではないという意見も同程度見られます。こちらも勝算という観点からの要素として以下のような点が挙がります。

  • 既に相当数の票が集まっている(この時点で他の役への票はわずか)
  • まだ投票開始直後なので趨勢はいくらでも変わりうる
  • 勝てなさそうだから役変えという行為自体が浮動票を大きく逃す

ちなみに本筋とは関係ありませんが、戦略を考えるうえで共演者との関連性を推す声が上がるとすぐさまCP推しはまずいという声が上がるのは、なるほどTAの経験がある人たちです(かくいう私も一回そういう発言をしていますが…)。

19日の午前中も平行線は続きます。平日昼間ということもあり人数はそこまで多くありませんが、だいぶ熱の入った(婉曲込み)議論が行われています。特に「このままでは勝てない」と考える人が危機感を持って役変えを提案しているのが目立ちます。日が昇ったあたりからは、先述の役変え候補の中でも特にFDが話題に上る率が上がってきます。
議論が煮詰まってきたところで、昼過ぎにTwitterによるアンケートが実施され、それをもとに後ほど話し合うという流れとなります。このときの選択肢は「主人公/FD/様子見」の3択でした。また、15時にガシャが開始し100票という予想を超える数の票が配布されることになりますが、コンベ内では主に議論の行方を見守り投票を保留にすることが呼びかけられました。そして議論は午後10時から行われることが決まります。

そして午後10時。800票以上を集めたTwitter投票はFDがやや優勢といった結果でした。ここでは主に議論はFDへの変更を主張する人がメインで進み、FDで戦う際のアピール戦略なども盛んに語られます。そして10:40分ごろ、FDでよいか?という投稿に対し20件ほどの賛成が並び、そのまま一斉投票をするかという流れに。これに対して他の立場の意見があまりないと待ったがかかり、妖精・主人公など他の役について、みたい人によるアピールがなされます。そのうえで多数決により結論を出すことになります。googleフォームにてP名+コンベIDを入力する形での投票が行われ、約150人の投票の結果6割程度の支持を獲得したFDへの投票一本化を図ることが決まりました。

この日の票の推移は以下のようでした(カッコ内は役内順位)。なお、参考としてその時点で主人公・FDで1位であった茜と春香の票も記載しています。全ての役ーアイドルの組み合わせのうち、15:00時点では主人公茜が3位、FD春香が5位、主人公琴葉が12位となっております。24:00時点だと主人公茜3位、FD春香が18位でした。表以外の役で琴葉が10位以内に確認できるのは、9:00時点で先生17(7)、女主人10(10)、15:00時点だと先生21(7)、24:00時点では友達254(6)、女主人136(8)、少女165(10)、オオカミ213(6)でした。ただし、10位以内に現れるかどうかは他のアイドルの動向も関わっているので、票数の多い順とは限りません。加えて24:00時点での投票数は有償ガシャセットの影響が大きく、単純に支持者の割合を表すとは考えにくい部分もあるので注意が必要です(この日投票券はデイリー2票に加え、15:00以降は課金によりおはガシャ1票+ガシャセット100票が入手できました)。

役・アイドル 主人公琴葉 FD琴葉 主人公茜 FD春香
12/19 09:00 856(2) 20(5) 1137(1) 1079(1)
12/19 15:00 1079(2) 43(3) 1712(1) 1337(1)
12/20 00:00 2874(3) 525(3) 23193(1) 13196(1)

 

その後の動き

翌日20日は基本的にコンベ内でのTCに関わる話題はファイナルデイが中心です。ただし、意思決定の過程を問題視する意見は時折見受けられ、またTwitterでも初日の議論で疲弊して離れたという声が一定数確認できます。この日の夜に一斉投票が行われ、1/20 24:00時点で11381票がFDに入っており2位につけました(このとき1位春香21193票、3位美也9777票、また主人公琴葉4184票)。discordでは、discord内の意見の押しつけは行わないという事前の取り決めに基づきコンベの方針に従うことが確認されます(基本的にコンベ開設後のdiscord内の議論でコンベの趨勢を変えるようなものはありませんでした)。

 その後数日コンベはこのFDを目指す体制となりますが、コンベ内ではここまでの議論の流れに対する不満が定期的に噴出する状況が続きます。FDへの投票もいま一つ伸び悩み、春香とはまた少しずつ離されていき、23日には美也に抜かれることとなります。コンベでは徐々にFD派と主人公派の隔たりが大きくなって何度か投票の一時凍結も提案されるほどになり、また発言者数が減って初日と比べると発言者が固定化する傾向がありました。

12/25夜、FD派と主人公派の応酬がやまないコンベの雰囲気改善を目的として「TCを離れて琴葉のことを話す会」が行われました。これまでコンベ内で議論が錯綜したことを受け、TCの話をしない、他者への批判をしないなどのほか、司会者を立て挙手制で発言するという掲示板としては異色のルールが採用されました。この日は約2時間の間に20~30人ほどがコメントし、感触がよかったという声が多く翌26日にも似た企画が行われました。こうした企画が一定の雰囲気改善をもたらしたことを受け、27,28日には、TCの役について純粋にどういう点が魅力かということに絞ってダイマする会が同様のレギュレーションで行われました。

29日にはここからさらに進めてどこに投票するかということについての会議が開かれましたが、○○なら勝てるといった議論に前日までと比べると挙手制会議がうまく機能せず、意見集約は難航します。30日の夜に引き続き議論を行う予定ではあったのですが、こうした状況が続くことを見かね、30日昼頃に投票一本化を断念する流れが形成されました。これに大きく反対する意見はなく、同日夜には手持ちの票を好きなところに入れようという自由投票企画が行われました。

年明け以降は、年末の自由投票において票がおもに主人公に大きく入ったこともあり、主人公一斉投票が何度か行われました(それにも紆余曲折ありましたが)。しかしここまでの劣勢を巻き返すには至らずTC投票の期間が終了しました。

 

 まとめると
  1. 投票開始直後主人公へ票が集まる(discordの事前会議の影響はそれなりに可能性がある)
  2. 茜ちゃんを追いかける構図にコンベで投票先変更の主張が増える
  3. 初日夜、議論の末の多数決でFDへの移行が決定
  4. 同担内でのFD派への反発もありFD票が伸び悩む
  5. コンベが紛糾の末に空中分解
  6. 年明けはかろうじて主人公派が組織的に動けたが1位にはなれず

 

反省会・主に手続き論

今回の件は、どこに集票するかで議論が収まらなくなり最終的に多数決で決めたものの陣営全体が疲弊したという、言ってしまえば「よくあること」だったかと思います。以前の投票でも今回でも、複数の陣営においてこういった現象は見受けられます。多分TFくらいになっても絶対どこかでこういうことは起きるでしょう。TXくらいになったら…どうだろう…そこまでいくと意思決定モデルとしてかなり貴重なサンプルになっていそうです。ミリマスあと20年続け。しかし、陥りがちな罠だからこそ考察が必要になってくると思っています。いくつかのテーマについていろいろ述べていこうかと思います。特に、「どの役に行けばよかったか」という話よりは、「どのような議論の進め方をするべきか」みたいな形式的な話を主にしたいと思います。前者については私のエネルギーが残っていれば別記事で私見を強めつつではありますが語りたいと思います。

なお、本記事の振り返りのなかで2日目以降のウエイトは軽くなっています。理由は主に2つです。1点目は、2日目以降の動きは主に初日の動向によって引き起こされているため、初日が最も重要であると判断したから。2点目が、2日目以降はコンベンションセンターを見るだけでは事態の全貌を把握できないからです。初日の議論のあと、コンベの状態に嫌気がさした人や議論に疲弊した人がコンベから離脱する動きがあったと見られています。一応Twitterでの検索などは行っていますが、私個人で追える内容には限界があり、意義のある議論が難しいと判断したための措置です。

 

初日夜の議論

2日目以降のコンベに書き込まれた不満は、特に初日の議論についてのものが多かったように感じます。また、Twitterにおいても同種の不満が確認できました(ただしTwitterの観測は個人によるものなので限界がありますが)。なかでも、FDに行ったことそのものというよりは、「勝てる役」へ乗り換えようとする態度や議論の強引さへの反発などプロデューサーの振舞いへの批判が目立ちます。

 

先に結論を言うと、12/19の22:00になった時点で議論の結果があのようになる(侃々諤々の末FDに移行する)のは半ば仕方のなかったことだったと考えます。無論、結果として主人公への投票を継続するシナリオも十分な可能性があったと思いますが、特定の要因によって議論の結果がFDへ歪められた、というようなものではないということです。

 

そもそものバックグラウンドとして、あの日の議論が結論を出すのが非常に難しいものであったことは強調しておきたいと思います。投票前にTwitterで行われた琴葉はどの役がいいかというアンケートでも結果は割れていたそうです(これは現在は削除されているようで私自身は確認していません。discordの議論ログを参考にしています)。また、当時の勝算の認識もプロデューサー間で大きな隔たりがあり、短時間でその溝を埋めるのは不可能に近かったと思います。「どこが見たいか」「どこが勝てるか」のどちらを重視するかがそもそも人によって違うのに(このあたりも初日に多く議論されていたことでした)、「見たい」「勝てる」役の認識についてもバラバラな集団が議論するというのは、それだけでカオスが約束されているようなものです。その上で議論が「荒れた」要素とは何だったのでしょうか。

まず「勝ちに行く」ことへの批判ですが、そういった方針の人が一定数いる以上それを否定するのは非現実的かと思います。私自身、勝ちを狙うプロデュース方針はそれなりに理解できる(自分がそうというわけではありませんが)ので、そうした議論が起こることは避けられないと考えています。
ただし、今回の教訓として、コンベなど多くの人の目につく場所で「勝てるか」の話をしすぎるのは却って「勝てなく」してしまうということは留意しておくべきでしょう。どうしても勝てるかの議論というのは、他のアイドルと比べてどうだとか対抗がどうだから浮動票が狙いやすいだとかいう内容になってしまいますが、そのような生々しい話を嫌う人も多いということは今回の件のみならずそれ以前のケースからも推し量れることです。「勝ちを狙う」人は、自身の誘導が集団にどう影響するかまで含めて勝算を考える必要があり、そのジレンマに向き合い続けなければならないのだと思います。

続いて、議論の強引さについてですが、これは一部の人が強く議論を引っ張ったことに起因するものかと思います。しかし、これについては個人を叩いても仕方のないことです。恐らく動機としては琴葉を勝たせたいという至極単純なもので、「たまたま」それが極端で手段が追い付いていなかったというだけに過ぎません。人狼ならロック思考の人を吊るだけでいいわけですが、コンベで全員が非表示とするわけにもいきません。初日夜の時点で早急に結論を出したいという焦りがあるのも当然で(私自身そうだったのは否めないのですが)、集団全体としても浮足立っていた中議論を落ち着けることは困難だったという印象があります。

少し私見が強まっていると感じるので、以下は特に個人の意見に過ぎないことを明言して述べます。私自身はあの場の議論では数回発言しておりうち1回はFDへの同調を含むものでした。それを踏まえてなぜ強引と見られる議論がなされたのかについては、何人かの強い発言が直接的な原因だったと考えます。ただし、それはコンベに集まった人たちの集団としての雰囲気を土壌としたものであり、ある個人がいなかったとしても大なり小なり同じ議論の道をたどっていたという考えです。これをもとに、本節の冒頭で述べたように議論の結果は「仕方なかった」というのが私の主張です。

こうして私はめでたく自分の責任を集団に押し付けることができたわけですが(やめなさい)、ではそれを踏まえてどうすればよいかといえば、できることは多くないと思います。まずは一人一人が掲示板での議論に慣れ、あるいはよりよい状況判断ができるようになること、そしてもう一つはコンベンションセンターの形式を変更することです(コンベの形式については後の節で改めて触れます)。結局責任論になってしまえばコンベにいたみんなが悪いという以外にないので、改善するにはみんなを改善する以外にありません。さすがにそれではあんまりなので、じゃあどうすればよかったかというのは最後の節にもう少し真面目に書きたいと思います。

 

しかし、他のコンベに比べても特に琴葉のコンベが荒れたのはなぜかということは分析する価値の大きいことだと思います。票が割れたところまでは同じだったがその後持ち直したところもあるようなので、そことの比較は是非ともしたいところです。残念ながら私自身は他コンベまで手が及ばず断念してしまったので、他力本願ではありますが他の方の分析をお待ちしております。

 

多数決

 最終的に初日夜の議論に決着をつけたのは多数決でした。当時かなりヒートアップした状況で話し合いで決着をつけるのは困難だったため(これはギャグとして消費したい話なのですが、どのように多数決を取るかでだいぶ揉めました)、この措置はやむを得なかったでしょう。
ただ、その参加人数についてはいろいろ考えられそうです。Googleフォームでの投票はコンベIDも併記する形であり、すなわちコンベへの書き込みが必要でした。これは投票操作を危惧する声から生まれたものでしたが、結果として冷静さを欠いたコンベにいる人たち(もちろん私もその一人でした)だけで決定しなければならない状況に追い込まれたというのはあまりよくなかったかもしれません。この形式で150人の投票は決して少なくはないでしょうですが、それでもTC参加者の一部にすぎません。最初から「議論して多数決しよう」ではなく、多数決に追い込まれないような立ち回りがベターだと思います。

また、特に昼間のTwitterアンケート(800以上の投票)に対してはその正確性が疑問視される場面が多くありました。これをどこまで信用するかということについても対立の要因の1つだったかと思います。実際、TwitterアンケートはRTの性質上投票母体の性質が固まりやすいなどの欠点があります。私自身はあのアンケートはある程度の信憑性を持ったものだと思っていますが、評価が割れるものを議論のたたき台にしたことは分裂の一因となった可能性があります。

 

discord

コンベ内ではdiscordに対する批判というのも見受けられました。しかし、実はdiscordの話題が出るのは初日の議論からしばらく経ってからであり、私の感想としてですが責任を押し付けるための当て馬にされてしまったに過ぎないと思います。

まず前提として、discordが影響を持ったのはスタートダッシュまででした。そして、スタートダッシュ自体は前述のとおりそれなりに成功しており、開始直後に「茜VS琴葉」の構図の印象を持った人も多いと思います。仮に主人公一本で行っていた場合、(事前アンケートの琴葉Pの割れ方を鑑みるとなおさら)それは功績と言えたでしょう。開始時点ではその可能性が大きかったことも事実です。
ところが実際にはどこに票を集めるかコンベで議論する流れになりました。このルートに入ってしまった場合、批判として「組織的集票によって琴葉P全体の実態がわからなくなった」というものが考えられます。実際、初日夜の私個人の思い出としてですが、昼頃からの投票控えの動きやTwitterアンケートなどによって複雑になった状況をうまくつかめていませんでした。
しかしながら、ではdiscordの組織的動きがなければそれが起きなかったかといえば、それは否だと思います。なぜなら、「役はともかく琴葉に入れたい」という層によって役の間の少しの票差が拡大するフィードバックが働くからです。これによって、微惑星の暴走成長よろしく(伝わらない)特定の役に票が集まる現象は確実に起きていたはずです。そして、初日9:00における票数を見れば主人公以外への投票はせいぜい10人分程度で、もし組織票のないスタートからであっても票の受け皿になった可能性はそこまで大きくないと考えられます(discord組による宣伝も含めて考えると話が複雑になりますがそこまで大きな影響はなかったでしょう)。

以上を踏まえると、discordの手はローリスクハイリターンであったと言えます。なお、discordの立ち回りとして、役の押しつけなどは避けつつ情報や議論をできるだけオープンにするという戦略をとったところもあったようですが、琴葉鯖がとった戦略とどちらがいいかというのは詮無き事です。いずれにしても、投票開始前のコンベがない中で、組織としての強みを生かした情報集約・分析や戦略立案が十分に実施されており動き方に問題はなかったと思っています。

 

議論妨害 

特に中盤戦以降ですが、5chなどで荒らしが宣言されたりしたようです(私自身は5chは守備範囲外なので自分での確認はとれていません)。あるいは、事実かどうかはともかくTCにおける他Pによる妨害工作が取りざたされたりもしました。
私もコンベのログを眺めている中いろいろ思うアカウントがあったことも事実ではありますが、それ以上の明言は避けます。それは私自身の技量が個々の案件に触れられるほどないというのもありますが、結局「妨害行動が成立するようになった時点でダメ」だと思うからです。

ただし、仮に次回以降あったとして、今回で荒らしが成功体験を覚えてしまっていた場合、今回以上に防御力を上げておく必要があるかもしれません。私含め皆さん穏便な対処を心がけましょう。そういう点ではそもそもコンベを議論の場にしないというのは有効なのですが、胃の痛い煽りは嫌いだが胃の痛い議論は好物の私としてはあまり推奨したくありません。他の方の振り返りを見ても議論しないのは他の点におけるデメリットも大きいようです。

 

コンベンションセンターのシステム

これはシステム面の問題でユーザーから干渉できる話ではないのですが、今回のコンベのシステムはやはり分裂を誘発しやすい環境であったと思います。

まず140字の字数制限は、現状を分析して共有するとか議論を土台から徐々に積み上げていくとかをしようとした際には致命的に足りません。1分1ポスト制限もあったと聞いていますが、そうでなくても議論が白熱すると複数ポストをしても分断されてしまいます。加えて、一画面の表示可能数もわずか5ポスト程度のため話の流れを追うのが大変で、返信を書いている間に元が流れてしまったり、複数の話題が進行しているときに混乱が起きたりしました。また、これが個人的に今回特にマズかった仕様だと思っていますが、過去ログがスクロールで見るしかないため、以前の流れを追うのに大変な労力がかかります。

その他、投稿者の情報が名前とコンベ限定IDしかない点も問題視する声が多かったと思います。このため、荒らしとか他Pの騙りとかが話題に上る機会がかなり多くありました(重ねて言いますが実態はコメントを避けます)。投稿者情報については、グリー版ではファン人数を表示する仕様があったためそれを求める声もありましたが、個人的にはマウント取りなどが現れる心配もあるので一概に賛成とは言い切れません。
恐らくこれに関しては運営が最も情報を持っていると思うので、今後コンベが再実装されることがあれば仕様変更に注目したいと思います。

 

どうすればよかったか?

多くの人間が関わって陣営としてどう動いていくかという問題は、物理で言えばカオス、つまり現在の状況から将来を見通すことがほとんど原理的に不可能な現象だと思います。ブラジルの蝶の羽ばたきが竜巻を引き起こすかもしれない、それは誰にもわからないのです。そうした中で今回たどった道はお世辞にもいいとは言えませんが、その時その時の判断としては必ずしも非難されるものではないでしょう。

そんなわけで基本的に未来のことを言えば皮算用で過去のことを言えば後出しジャンケンなのですが、その上で取りえた選択肢の一つについて考えたいと思います。

 

 それは、他の陣営でも行っていた方法でもあるのですが(結局そこには別の流れができるのですが)、投票券を実際に用いたアンケートを取ることです。私個人の感想ですが、「初日22時の状況で今後の戦略を決断させられた」ことが今回の最大のポイントと考えています。とはいえ、このタイミングで決断すること自体はやっておきたい。そこで、コンベで意見が割れそうになった早期の段階で、勝ち負けでも見たいかどうかでもいいから自分の思うターゲットへの投票を呼びかけ、その結果をベースに考えるわけです。特に勝ち負けで判断してもいいことを明言し、期間中はどんどん自分の思う集票先の宣伝をしてもらって、おのおのの思惑をひっくるめた投票結果となることを狙います。

この作戦のメリットですが、実際の票を用いて琴葉Pの動向を捉えられれば、それなりに客観的指標になることが期待されます。いっぽう初日の票は全体からすればわずかなので、方針決定と割り切って使ってもそこまでの問題はないでしょう。方針がコンベに書き込む人だけで決定される問題のある程度の解決になります。また、(そもそもあまり話題に出すものでもないですが)他Pの干渉については、他Pにとっても大事な票である、趨勢を変えるほどの大きな動きはさすがにバレる、また仮に操作があったとしても複数の陣営からの圧力が相殺されることが期待できるなどの観点から、問題にはならないと考えます。

しかし、これにも欠点が存在します。1つは先ほど述べた票が集中しやすいフィードバックがあることで、真の割合よりも偏った結果になることは考えられます。そして、最大の問題が15:00の100票ガシャセットです。これに間に合わなければ、課金者と非課金者で投票券に50倍もの格差が生まれます。こうなると少数の課金者の意見が大きく反映されてしまうので、15:00以降はこの手が使えなくなります(少なくとも納得しない人が多くなるでしょう)。今回はガシャ告知こそあったものの100票も付いてくるというのは想定外だったため、仮にこの方針を取っていたとしてもここで紛糾していた可能性が高いでしょう。

 

他にもいくつかとれる手はあったとは思いますが、あまり実際に起きていないことばかり話しても水掛け論になってしまいます。それでも、私としてはこの作戦は今後カードとして持っておいていいと感じました。

 

コンベンションセンターの統計

 コンベンションセンターに関して、いくつかデータを取ったので載せておきます。ただし、他のコンベとの比較を行っていないこともあり、解釈などは私の方ではあんまりできていません。また、解析の過程に一部アナログなところが入っていたりするので数字は若干の誤差を含む可能性があります。そういったことも含めて、もっと処理に長けた方の登場をお待ちしております。

 

集計期間:2018/12/19~2019/1/20

日付 post 投稿者数 新規投稿者数 最終投稿者数
12/19 2929 346 346 202
12/20 883 156 64 62
12/21 313 92 29 29
12/22 305 71 20 25
12/23 373 72 24 23
12/24 328 71 17 15
12/25 350 81 26 30
12/26 200 47 5 9
12/27 459 57 15 12
12/28 263 59 9 19
12/29 335 48 17 13
12/30 635 101 40 54
12/31 231 117 82 86
1/1 39 37 14 21
1/2 39 27 11 11
1/3 261 49 16 19
1/4 140 40 12 17
1/5 77 51 20 25
1/6 341 50 13 23
1/7 46 24 5 10
1/8 19 15 5 5
1/9 26 18 4 3
1/10 60 28 6 10
1/11 35 20 3 9
1/12 31 14 1 1
1/13 32 21 9 10
1/14 17 11 5 5
1/15 47 24 5 10
1/16 23 16 3 7
1/17 6 6 0 2
1/18 26 16 6 6
1/19 93 47 15 31
1/20 112 57 14 57
Total 9074 861

 

 postが書き込み数です。また投稿者数はコンベIDによって確認しており、その日に書き込みを行った人数、およびその日に最初/最後の書き込みを行った人数を掲載しています。

 

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f:id:weretigereye:20190126212353j:plain

同じデータですがグラフでも示しておきます。

 

おわりに

何度か触れていますが、あくまで自分の立場ですが「起こったことはしょうがない」と思っています。先のことは100%分かるなんてことはないのですから、議論の結果について後から評価してもどうしようもない面もあります。しかし、一人一人が起こった結果を分析することは有意義なことであると思って本記事を書きました。

また、できる限りの注意はしましたが一当事者である私個人で行えることには偏りや限界があります。ぜひ様々な立場から多くの方に振り返りをしていただき、今後へ活かせるものを見つけていければと願っております。

 

 

参考にさせていただいたもの

    票数の推移は主にこちらのツイートを参考にしました

    上のbotは開始直後は稼働してなかったので開始30分の票数はこちらから

    コンベンションセンターのログはここから