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田中琴葉や喜多見柚が好き

樋口円香についての覚書

自分用メモです。書くことで整理できないかなというもの。

 

アイドルマスターシャイニーカラーズもいよいよ3年目に突入しようかという中、新ユニット「ノクチル」のメンバーが順次実装されています。まだユニットとしての全貌は見えませんが、これまでのユニットとの大きな差別点として全員が幼馴染であることが公式からも示されていますね。このシャニマスの世界が、彼女たちの関係をどう変えていくか―これまでのシナリオを踏まえるともう信頼を込めて「襲い掛かる」と言っていいかもしれません―今から楽しみです。

 

さて、そんなわけでユニットの一人である新アイドル樋口円香さんもpRが実装され、意気揚々とWING編をやってきました。期待を裏切らないいいコミュだったのですが、プロデュースを終えてどうも不思議な気持ちを覚えるようになりました。明確に刺さった!という感じではないのですが、ぼんやりとした「お前を理解(ワカ)ってやるからな…」という思いを持った…気がします。よくわからない。多分私のパーソナルな状況も影響しているのだとは思いますが、とにかくこうして記事を書かせる何かがあった。そこで、今回はこうして覚書として結論も道筋も立てずにのんびりと書いていこうかなと思っています。

 

とりあえず最初にプレイしたときの感想をだらだら。※途中必ずしも肯定する内容のみを含むわけではありませんが、良し悪しの話ではなく好き嫌いの話です。

  • イントロ、最初に事務所背景が出て電気が消えた時点でもう察した。これは?まさか?と思ったらマジでそうだった!女の子と女の子の感情の話は大好きなので第一印象は「最高~~~~」でした。それほんとに樋口円香の第一印象と言えるか?
  • およそ親愛度が上がる表情と発言じゃねえ…。
  • S1、クールちゃんだと思ってたらいきなり面白い言葉でおちょくってきた…。馬鹿にされる分には別にどうもないんですが、なんだこの…むず痒い感じは…。冷たくしてるつもりだろうにその言葉遣いだとなんか愉快な人みたいに思ってしまうんだけど樋口さんどう思ってるの?素なの?とはいえ、Pに対して無関心というわけではなくベクトル自体は向いているので、コミュニケーションそのものは多いのかな。(後からメタ的に考えると、こうして雰囲気を和らげないとマジでヤバいということだったのかもしれませんね。)
  • そのあとのアイドルをくさす下りがプロデュース通して一番「う……」となった箇所でした。しかしそう思うってことは自分がそれだけ「アイマス的価値観」に染まってるということでもあり、それに気づいたときはちょっとびっくりしました。
  • S2、ここ初見だと全部流してたんですよね。序盤のPの「レッスンもないはずだけど」のセリフが伏線にはなってるんですけどまあ気付けず、その後ちょうど「無理はするなよ」を選んだため普通にレッスンに行っただけだと思ってました。他の2つの選択肢は予定がないことを言い直してて気付きやすいのですがちょっと運が悪かったかな。ちなみに後で使われる特別手当の話も「夢はないのか?」を選んだ先にだけ出てくる。
  • ライブボイスも全体的に小さいけど、思い出で「美化しないでもらえます?」って言ってんのかwww
  • S3、二酸化炭素濃度の話ってなんだ。IPCC報告書でも読むか?(このボケは今出てきたけどそのあとになって初めて燃焼後に発生する二酸化炭素に気付いたので俺はもうダメだ。)そろそろ核心に近づいてきているんだろうか。発言の一貫性が見えなくてどういう気持ちで言ってたかはわからないけど、アイドル舐めてる人間の言葉ではなさそう(まあメタ的にそれはそうなのですが)。
  • S4、いよいよ。「怖い……」と言うときのトーンが意外だった。もっと抑揚無く、ただし言いたくなさに小さい声で逃げと少しの怯えを込めて「……怖いじゃないですか」みたいに言うイメージだった。何が彼女をそこまで追い詰めたんだろう?
  • S4通過して初めてS2のが自主練だったことに気付く。
  • 準決後。「うるさい大丈夫」最高…………
  • 蛇足。な、泣かないかあ…。と、もしかしてPと発言が被っちゃうやつ?ピクニックでもあったしレッスンルームの鍵もそれっぽかったし。いいですねそれ。
  • テンプレツンデレ発言来たか。もっと弱みは隠していいんですよ?でも最後のは好き。
  • 朝コミュは激ムズの透に比べたらマシかな。後で銀鍵で全部見たんですが、開口一番「おはようございまーす!」とかPもなかなかいいキャラしてますね。お前そんな挨拶に入れる長音なんて使う人間だったのか。後半の朝コミュは樋口さんの語彙も相まってほぼコントみたい。
  • WING2周して信頼度も4まで上がりましたが(上がったとは言っていない)、4のセリフいいですね…。アイドルってやっぱり誰かの人生を消費するものだよなあとは思っているのでそこに切り込んでくるのは嬉しい。アイマス世界だと救いが欲しければとりあえずアイドルみたいな面はありますが(まあシャニマスはその辺非常に丁寧だと思っていますが)、プロデューサーってやっぱりそういうポジションだよなあと。

だいたい初見時に思ったことのはずです。一番引っかかったのは「怖い……」で、あとはアイドルに対する言及の裏にあるものです。じゃあここからいろいろ考えてみましょうか。

 

「怖い……」に関しては、今「逃げ」という言葉を使ったことで何となく分かってきました。基本的に前半で言われる彼女のアイドル観は逃げ、あるいはセーフティーラインを引いてるようなものだと思っています(行動はまあともかく)。だから私もそこから延長線を引いて考えていたのでしょう。しかし彼女は今度は逃げずに、自分の気持ちに真正面から向き合い、さらにはそのままPに伝えるところまで行ったと考えるとよさそうでしょうか。Pに、「王子様」にそれを伝えるということは自分もドリーマーの世界に足を踏み入れるということを分かったうえで、自分も輝きたいと覚悟を決めたのでしょう。

つまりあそこは口ではイヤイヤ言いながら心は一線を超えることを受け入れていったシーンなんですね!はーなるほど!!

 

はい。さて、じゃあ彼女はそこに至るまでに何を見聞して何を思ったんでしょうか。いろいろイベントも起こるしいろいろ言ってはいるけれど、何考えてたかは別ですからね。最初はここがよく分からなかったのですが、(今このタイミングで)改めてコミュをまとめて見返しているうちに、心臓を握るをベースに意外とストレートに繋げられるような気になってきました。

  • 恐らく最初は本当に透を人質に取られたからアイドルを始めたのでしょう。本人にその気はなかったはずです。根本にある「背負いたくない」という思いは、凡そアイドルをやる性格であるようには思えません。(だからこそ信頼度4の「責任取れるんですか?」というのがこちらに重くのしかかってくるわけですね…。)
  • そんな彼女が足を踏み入れてしまったアイドルの世界で見たのは、自分では到底持ちえない情熱と、その象徴ともいえるプロデューサーだったわけです。Pにはもともと透を誑かしたことで不信感を抱いていたであろうことも相まって当然冷たく当たります。ただ、そんな情熱的な世界に対して無意識的に劣等感を持っていたとしても不思議ではありません。アイドルを見て出てきた「自己顕示欲の塊」という言葉は、愛憎入り混じる思いを端的に表したシニカルな表現にも見えます。
  • 一方で、既にS1の時点でこの先につながるメインテーマが出てきています。Pに宣材写真を褒められ、彼女は「誰かの期待を背負う」状況に入りつつあります。恐らくアイドルなんていう情熱を燃やす世界に自分が入るのはまっぴら御免なはずで、「ひとりでやってくれ」というもかなり本心でしょう。「私みたいな素人」「ほどほどの愛想で」「普通にやっただけ」「未完成でも商売になる」というのは、せっせと期待を下ろそうとしているのかもしれません。
  • S1通過時点でも、アイドルに対するスタンスは最初と同じでしょうか。「通るだろうなと思っていた」のは、恐らくこの時点の周りの状況から客観的に見た感想でしょう。円香のアイドルとしての天性のポテンシャルが表されているとみてもいいかもしれません。
  • S2ではファンとの出会いによって円香に対してより明瞭に、そして純粋に期待が示されます。これに対して「疑問が先立つ」というのは、期待を避ける裏にある自己肯定感の低さから来ているのでしょう。自分の中に期待に応えるものがないと思った円香の「分からないなりの対応」というのが、その後の自主レッスンになります。円香が真面目と評されるのも、このあたりを見ると納得です。
  • ところで、ここかなりの読解ポイントというか面白いところです。「ファンからの期待」が先か、それとも「自主レッスン」が先か、どっちなんでしょうか?出来事としては、後者が先に見えます。コミュの流れでは円香が事務所に来たのは初めからレッスンルームの鍵を受け取るためだったと考えた方が自然です。選択肢の「無理はするなよ」というのも、Pは「分からないなりの対応=自主レッスン」について知ってたからこそ出るセリフと考えるとしっくり来ます。上でこの選択肢だけレッスンの予定がないことに気付く描写がないと書きましたが、これPがそこに既に気付いているからというちゃんとした理由があるんですね。え、すげえ…。今震えてます。さて一方で、こういう形でのファン対応は恐らく初めてとはいえ、円香は既に期待を受けてきているはずであろうという点にも気を向けた方がよさそうです。ライブはもうやっているし、何より最初からずっとPは円香に期待し続けてきました。コミュの構成から考えても、「期待→努力」という流れはかなり強く存在していそうです。まあ、ここの順序はけっこうおもしろそうだと思っていろいろ書きましたが、順序などないというのも間違いなく正解でしょうしこれぐらいにしておきます。
  • S2通過時もファンからの期待を重ねてきます。ファンレターを受け取らないところには円香の思いがよく出ています。
  • S3では、オーディションにおいてアイドルに身を捧げる子たちの情熱を目の当たりにしますが、合格通知を受け取ったのは円香でした。ここは、言われているように敗者の思いも背負っていくことを表していると考えるのがよさそうです。相も変わらずPも期待してくるので、「本当に?」と聞いたり「期待は背負わない」と明言したりとかなり疲弊していそうです。ただ、このあたりの円香自身のスタンスはまだよく分かっていません。「安っぽい笑顔で歌っていた人」「勝ち負けは気持ちの問題じゃない」あたりのセリフが引っかかっていますが、どう捉えるのがいいでしょうか?「強い言葉を使う時はそう思い込もうとしている時」だから、「安っぽい笑顔」と自分に言い聞かせているんでしょうか。あとは「勝ち負けは気持ちの問題じゃない」で何とか敗者の気持ちを背負わないようにしようとしているとか?
  • こうして見ていくとS3通過のときはかなりぐちゃぐちゃになっていそうです。愛おしいなお前…。
  • ついにS4でさらに次のオーディションというところになって、円香の思いが爆発します。ここは私は上で書いたように選択肢前で感情を赤裸々に吐露した時点で円香がラインを超えたという風に見ています。振り返ってみると、円香の心に火をつけたのは円香がこれまで背負ってきた他人からの思いだと感じられます。ここまで真面目に背負ってきた思いが逆流して円香に翼を与えたと考えると感慨も一入です。
  • Pに対する「私、あなたには期待しません」ってこれよく読むとデレですよね!?こういうのでいいんだよこういうので!ともかくこの辺りでようやくPに一種の信頼を置くようになりますが、これはこれまでPが円香に期待し続けて、それがアイドルに対するエネルギーとなってきたからこそでしょう。Pが円香がアイドルをやっていく上での動力源であってきたから、「プロデューサー」が必要なんだというオチになるわけですね。

美しい流れでした。この記事書き始めた時点ではこれ見えてませんでした、本当に。想像を超えてまとまってしまい、シナリオの完成度に感嘆しています。もう円香が何言ってても可愛い。文中で「円香」と書くのも、これ自然に変わってて気づいたとき自分でびっくりしたので残しました。これはもう…うん…まあ言わないでいいか。もはや人に見せるものではありませんが(もともとそのつもりは薄かったとはいえ)、結果としてリアルタイムの記録になったのは期待を超えた収穫です。

シャニマスのコミュはずっと大好きでしたが、ここまで何度も読み込むことをしたのはこれが初めてです。もしかして他のコミュもこんな感じなんですか?やば…鉱脈かよ…。コミュ鉱脈。そんなわけで何とか福丸小糸さんの実装前に書きあがってくれたので、明日(今日)からも新アイドルを楽しみたいと思います。ノクチル、一体どんなユニットになっていくんでしょうか。